有名作家の着物は高額買取になる?人間国宝や伝統工芸士の見分け方・売る方法を解説
2022年1月27日
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女性であればHermèsやLouis Vuitton、男性ならRolexなど、誰もが憧れる高級ブランドというのがありますが、着物にも”作家物”と言われる高級着物があります。
人間国宝や人気作家の手がける着物や帯は高価で、物によっては骨董品扱いになったり
あなたの家に眠っていた着物や、遺品整理で出てきた着物がもしかしたら作家物の可能性もあるので、買取に出そうと思っている方は1度確認しておいたほうが良いかもしれません。
この記事では、作家物の着物を見分ける落款や重要無形文化財・伝統工芸士とはなにか、高額買取が期待できる作家の着物や特徴を紹介したいと思います。
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目 次
作家物の着物とは?
着物や帯の買取額は、種類や柄などによって違うのですが、なかでも「作家物」と言われる着物や帯は、高額になることもあります。
着物の材料選びからデザイン、制作までの全工程を作家と言われる個人が行った作品で、大量生産できないため高額になります。
そのため、作家物を購入する場合は、デパートの着物売り場などではなく個展や展示会で購入するの通常となっています。
着物作家は主に3タイプ
一括りに作家物と言っても、種類が色々とあるのでその特徴や違いを解説しておきます。作家物と言われる着物は、大きく分けて以下の3タイプに分かれています。
それぞれの違いも載せておくので参考にしてください。
染物作家 | 友禅染・紅型・江戸小紋など |
織物作家 | 紬・芭蕉布・羅など |
刺繍作家 | 刺繍 |
着物作家は主に染物・織物・刺繡と別れており、それぞれに有名な作家がいます。また、その中でも人間国宝や伝統工芸士など、色んなものがあるので把握するのは難しい部分もあります。
細かく把握しておく必要はないと思うので、作家物・ブランド着物・人間国宝・伝統工芸品など、それぞれが高価な着物だと理解しておけば良いと思います。
人間国宝の認定者が作った着物
作家物と言われる着物や帯のなかでも、人間国宝(重要無形文化財の保持者)に認定されている作家の作品は高額になることが期待できます。
文部科学省から認定を受け人間国宝になった作家というのは決して多くありませんし、国内だけでなく海外でも高い評価を得ています。
また、人間国宝が制作した着物は骨董品として扱われることも多く、既に他界している作家も多いため、中古市場でもかなり高額な買取になります。
伝統工芸士が手がける着物
伝統工芸士というのは国家資格でもあるのですが、資格を得るには、経済産業大臣指定の伝統的工芸品の製造に関わり、12年以上の実務経験と伝統工芸の産地に居住しているという条件をクリアして、認定試験に通る必要があります。
ただし、着物は分業制で作ることもあるので、伝統工芸士のなかには糸を染めたり作業工程の一部を担っている工芸士もおり、個人として作品を発表しているものがない工芸士もいます。
落款の有無を確認
人間国宝や伝統工芸士の作品は高額になることが期待できますが、どうやって見分けたらいいのか分からない場合も多いと思います。
しかし、人間国宝や伝統工芸士の着物の見分け方は意外と簡単で、作家物と言われる着物には、掛け軸や陶芸品と同じように「落款」が押されています。
いくつかの見本を紹介しておくので、確認する際の参考にしてください。
落款見本
上の画像が落款と言われるもので、作家によっては二代目、三代目と代替わりしていることもあります。
同じ名前を継いでいる場合でも落款の形が違うので、そのあたりの区別もきちんとできるようになっています。
素人目には分からなくても、着物専門の査定士であれば判別できるので、買い取ってもらう場合は専門の査定士が在籍している買取業者にお願いしましょう。
落款の位置(反物)
引用元:http://img-cdn.jg.jugem.jp/
落款の位置は、右前身頃の衽(おくみ)と言われるところに付いているのが一般的です。(着た時の位置は膝上あたり)
仕立て屋さんによっては右前の衿の下の方についていることもあります。着付けた時は左前身頃で隠れてしまうので、落款が見えることはありません。
京友禅で高額な着物作家
京友禅(きょうゆうぜん)は、京都の伝統工芸品で国が認定する伝統的工芸品でもあり、加賀友禅と東京友禅と共に三大友禅ともいわれる、日本を代表する染め織物のこと。
多彩な色使いでありながら柔らかい色合いに、金箔や銀箔・刺繍がほどこしてあり、上品かつ華やかなのが特徴です。
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京友禅作家「松井青々」の着物
人間国宝ではないものの、羽田登喜男と人間国宝を競い合った、京友禅の第一人者である京都の伝統工芸士「松井青々(まついせいせい)」は高価買取が期待できます。
松井青々の着物は、たたき染めの地色に松竹梅や菊などの柄に金彩をほどこし、豪華で優美な作品なのが特徴です。
現在は、二代目青々が傘寿(80歳)を迎えたのを機に、二代目の下で京友禅の技法を修得した三代目が襲名し、継承しています。
松井青々の着物と落款
[上:松井青々の着物]
[下:松井青々の落款]
引用元:http://www.matukawaya.com/
松井青々の着物は色留袖や留袖・振袖などが人気で、たたき染めの上に松竹梅などの模様を描いた作品などが有名です。
青々調とも呼ばれる独特の着物は、模造品も出回るほど中古着物市場でも人気です。
蒔糊技法「森口華弘」の着物
「森口華弘(もりぐちかこう)」は友禅染の人間国宝(重要無形文化財保持者)に認定されている染織家で、蒔糊技法(まきのり)を用いた友禅染の作品で知られています。
花鳥をモチーフにし、細密でありながら大胆なデザインで華麗な友禅染めが特徴で、こちらも高額で買取している着物店が多いです。
森口華弘の着物と帯
引用元:http://www.kawanoya.co.jp/
森口華弘の落款
引用元:https://tokusenkimono.com/
蒔糊技法を用いた作品は流通数が非常に少なく、相場でも7万から10万、状態も良く珍しいものだと30万円という査定額も珍しくありません。
三越のバッグも手掛けた「森口邦彦」の着物
蒔糊技法の友禅作家で人間国宝でもある森口華弘の息子「森口邦彦」は、父同様に友禅の人間国宝に認定されています。
2014年には三越のショッピングバッグも手がけており、明快な幾何学模様で斬新な作品が特徴の作家です。
三越のショッピングバッグ・森口邦彦の着物
引用元:https://www.fashion-headline.com/
非常に特徴的な柄ですし、人気があるのも頷けます。
加賀友禅で高額な着物作家
「加賀友禅(かがゆうぜん)」は、国指定の伝統的工芸品で、江戸時代に加賀藩(石川県金沢市一体)で栄えた加賀御国染めを基に、京友禅を独自に発展させたものです。
加賀友禅も京友禅同様に多彩ではあるものの、加賀五彩と呼ばれる、藍(あい)・黄土(おうど)・臙脂(えんじ)・草・古代紫の5色を基調とされており、京友禅のような、箔や(金箔・銀箔)刺繍をほどこさないので、華やかで上品な印象の着物です。
図柄は、草花や鳥などの自然の模様を絵画のように描き、ぼかしや虫食いといった技法が取り入れられているのが特徴となっています。
先ぼかし | 外側が一番濃く内側にむかってぼかしていく技法(京友禅は逆) |
虫食い | 虫に食われて葉っぱにあいた穴や変色をそのまま表現する技法 |
[左:先ぼかし][右:虫食い]
引用元:https://stat.ameba.jp/
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『加賀友禅まとめ』
友禅の人間国宝「木村雨山」の着物
加賀友禅の第一人者でもある「木村雨山(きむらうざん)」は、人間国宝に認定されている着物作家です。
自然の草花や生き物の写生による図案を基に日本画の技法も駆使した、絵画のような個性的な作風が特徴で、独特のぼかしが魅力的な着物を多く制作しています。
木村雨山の着物と落款
[上:木村雨山の着物][下:木村雨山の落款]
引用元:https://stat.ameba.jp
加賀友禅の制作ひとすじに打ち込んだとされる木村雨山の着物は彩色が美しく、落款は雨山の文字が刺繍されています。
童子をモチーフにした初代「由水十久」の着物
人間国宝ではないものの加賀友禅の伝統工芸士である「由水十久(ゆうすいとく)」が制作した着物も非常に人気があります。
由水十久は海外でも個展を開いていたこともあり、海外での人気も高い作家です。草花が多い加賀友禅のなかでも珍しく、人物画を描いているのが特徴で童をモチーフにしたものが有名です。
由水十久の着物と帯
引用元:http://www.kawanoya.co.jp/
加賀友禅で童といえば由水十久、着物によっては2,000万円を超えるので、童が書いてあった場合はしっかりと確認してください。
たまたま由水十久の着物を持ってて、何も知らずに買取に出した場合は査定員が驚くかもしれませんよ。
由水十久の落款
引用元:https://www.kimonoichiba.com/
初代由水十久の落款は初代が四角の枠、二代目の落款は六角形の枠になっています。
人間国宝「二塚長生」の着物
今も現役で活動している「二塚長生(ふたつかおさお)」の作品は、形があってないような「滝・雲・波・風」をモチーフにした、大胆な構図で染められているのが特徴です。
二塚長生の着物と帯
引用元:https://www.my-fav.jp/
画像を見てもらえれば分かる通り、かなり特徴的な柄なので、査定員の方が見れすぐに気付くと思います。
二塚長生の落款
引用元:https://www.kanaiya.co.jp/
二塚長生の落款は上の画像です。比較的分かりやすくてシンプルなので、眠っていた着物にこの落款があった場合は扱いに注意しましょう。
東京友禅・その他の友禅染
三大友禅と言われる残り1つが「東京友禅(とうきょうゆうぜん)」です。京友禅や加賀友禅と違い、構想図案から仕上げまでのすべての工程を作者が一貫して行なうのが特徴です。
また、他の2つの友禅よりも落ち着いた渋い色合いで、町人の暮らしぶりを描いた都会的で粋な着物となっています。
それ以外では、加賀友禅と京友禅を融合させた友禅を手がけた人間国宝・羽田登喜男の友禅も、羽田友禅と言われるほど独自性の高い友禅です。
ダイアナ妃も着た「羽田登喜男」の着物
高価買取でよく名前が出てくる有名作家が「羽田登喜男(はたときお)」です。彼は京友禅と加賀友禅を融合させ人間国宝にも認定されています。
京都の庭園や自然を愛し、花鳥風月を図柄にした作品が多く、京友禅と加賀友禅の両方を学び融合させた個性的な友禅は、野の草花でも豪華な文様に描かれているのが特徴。
特に鴛鴦(おしどり)は羽田登喜男の代表的な図柄で、海外での評価も非常に高くなっています。
1986年(昭和61年)には、元イギリス王妃のダイアナ妃の来日の際に、友禅を献上したことでも有名です。
羽田登喜男の着物と帯
引用元:http://www.kawanoya.co.jp/
画像のように優雅で美しい柄が特徴的です。豪華な雰囲気もあり、海外で人気があるのも頷けます。
羽田登喜男の落款
引用元:http://kimonohighstyle.com/
羽田登喜男の落款は登と男の文字が特徴的なため、非常に分かりやすくなっています。
手描き友禅「田島比呂子」の着物
技法の評価が高い手描き友禅の「田島比呂子(たじまひろし)」は、自然に生きる動植物を題材に古典的な友禅ではなく、現代風の繊細かつ大胆な模様の華やかな着物が特徴です。
また、寒色系が多い東京友禅のなかでも、明るい色やわらかな暖色系の色を好んで使う作品が多く、若い人からも人気があります。
田島比呂子の着物
引用元:https://tokusenkimono.com/
平成26年に91歳で亡くなられており、今後彼の着物が新しく制作されることはありません。そのため、中古市場でも50,000円~の高額買取が期待できるので、保管はしっかりとしておきましょう。
田島比呂子の落款
引用元:https://tokusenkimono.com/
田島比呂子の落款は画像のようになっており、ちょっと読みにくいかもしれませんが、よく見てみると呂と子が判別できるはずです。
着物買取で人気の染色作家
華やかな着物の代表といえば友禅染の着物ですが、型染めや絞り染めの着物も人気が高く、高額での買取が期待できます。
あまり詳しくないという方のために、人気の染色作家を紹介しておくので気になる方は目を通しておきましょう。
江戸小紋「小宮康孝」の着物
江戸小紋といえば代表的な「小宮康孝(こみややすたか)」は、重要無形文化財保持者(人間国宝)でもあり、高価買取が期待できる作家の一人となっています。
江戸小紋は非常に細かい模様で、型紙を使って染めつけする技法の染め物です。また、2017年に91歳で亡くなられているので、今後より貴重な着物として扱われるはずです。
江戸小紋の代表的な模様
[左:鮫小紋][中央:行儀(ぎょうぎ)小紋][右:角通し小紋]
引用元:https://www.someichie.jp/
江戸小紋には「鮫小紋・行儀(ぎょうぎ)小紋・角通し小紋」の3つがあります。
一見無地に見えますが、細かな模様を彫った型で染められており、小宮康孝の作品は細かい図柄で色鮮やかなのが特徴です。
小宮康孝の着物(小紋柄)
[左:話模様 さるかに合戦][右:大根におろし金]
引用元:http://www.kawanoya.co.jp/
小宮康孝の着物は画像の「話模様 さるかに合戦」や「大根におろし金」のように特徴的な柄があり、非常に人気が高いです。
小宮康孝の落款
引用元:https://encrypted-tbn0.gstatic.com/
小宮康孝の落款は、素人目ではかなり分かりにくい印になっていますが、上に「江戸小紋 小宮康孝」と刺繍がしてあります。
そのため、着物に詳しくない方でも落款を確認すれば彼の作品がどうかは分かるはずです。
型絵染めの人間国宝「稲垣稔次郎」の着物
京都市立美術大学教授でもあり、型絵染の人間国宝でもあった「稲垣稔次郎(いながきとしじろう)」の作品は、桃山・江戸期の小袖を基本としながらも、地元京都の四季折々の風物や自然をモダンに表現しているのが特徴。
稲垣稔次郎の着物と反物
引用元:http://www.kawanoya.co.jp/
モダンで鮮やかな柄が特徴的で、没後50年以上経過した現在でも買取価格は高騰しています。
辻が花染めで世界的に有名な「久保田一竹」の着物
辻が花は、室町時代から安土桃山時代にかけて使われていたもので、一度衰退して幻となった絞り染めの技法を復刻したのが、「久保田一竹(くぼたいっちく)」です。
しかし、伝統的な辻が花の完璧な復刻は技術的に不可能であると判断した一竹は、自己流の「一竹辻が花」を発展させました。
その後、1989年にヨーロッパの主要都市で個展を開き、1990年にフランスの芸術文化勲章シュバリエを受賞し世界的に認められ、1993年に文化庁長官賞を受賞しています。
そんな、一竹の着物は芸術的価値も高く、美術館に展示されている作品は3億円の価値と言われるものもあります。
現在は2代目になっていますが、初代に比べると2代目の着物は買取額が低くなります。
初代久保田一竹の着物と帯
[左列:初代一竹 着物][中央列:2代目一竹 着物][右:初代一竹 帯/2代目一竹 帯]
引用元:http://blog-imgs-18.fc2.com/
見た目だけで初代か2代目を判断するのは難しいので、落款で判断するのが最も簡単に見分ける方法です。
「初代久保田一竹・2代目」落款の違い
[左:初代一竹落款][中央:2代目一竹落款][右:一竹工房落款]
引用元:https://www.kimonoichiba.com/
初代の落款と2代目の落款の違いは「一」の字にあります。初代の落款は一の字は右寄りで、一の字の留め終わりが上に少し跳ねていて四角く枠があるのが特徴。
2代目の落款にも同じように四角い枠はあるものの、一の字が左寄りでまっすぐです。
また、一竹工房の落款もあり、一竹工房の落款は一の字が真ん中で四角い枠がないので、区別することができます。
その他・高額な作家物の着物
上で紹介した一竹辻が花の久保田一竹など、人間国宝でなくても人気や知名度のある作家は多数います。そういった作家たちの作品も中古市場で人気があり、高額買取になるので参考までに目を通しておいてください。
金彩友禅の伝統工芸士「和田光正」の着物
人間国宝ではないものの、金彩友禅の伝統工芸士「和田光正(わだみつまさ)」は、日本を代表する金彩友禅の第一人者です。
繊細な金彩は剥がれることがなく、純金・純銀・白金の箔によって柄が浮き立つような立体感があるのが特徴となっています。
また、芸能人や力士、海外デザイナーとのコラボなど、枠にとらわれない活動も人気の秘密です。
和田光正の着物と帯
引用元:http://www.wada-mitsumasa.com/
ご覧の通り、品の良さと煌びやかさが人気で現在も多方面で人気があります。着物ファンの間でも人気があり、一度は着てみたい着物です。
和田光正の落款
引用元:http://livedoor.blogimg.jp/
和田正光の落款は非常に渋い雰囲気で、光正の字が見やすくなっています。もしかして?と思う方はお手持ちの着物を確認してみてください。
皇室献上作家「藤井寛」の着物
「藤井寛」は皇后陛下や皇太子妃殿下・秋篠宮妃殿下などの着物も手がける、皇室献上作家としても有名な作家で、ロイヤルカラーとも呼ばれています。
藤井寛の代表的な作風は、雲取り文様を主体にした正統派の古典文様の京友禅染めで、優美さの中に京友禅ならではの華やかさを併せ持っているのが特徴です。
藤井寛の着物
引用元:https://thumbnail.image.rakuten.co.jp
繊細なグラデーションが特徴的な藤井寛の着物は、流石皇室御用達といった美しさを持っています。
藤井寛の落款
引用元:http://www.matukawaya.com/
金刺繍で綴られた藤井寛の落款は、よく見てみると判別できるはずです。
高額買取になる織物作家の着物
着物には格というものがあり、染の方が格が高く高価ですが、紬や羅(ら)といった織物も人気です。その中でも人間国宝に認定されている作家が手がけた作品は高額で買い取ってもらえます。
紬織の染織作家「志村ふくみ」の着物
「志村ふくみ」は、紬織の重要無形文化財保持者(人間国宝)であるとともに染色家でもあり、独自の方法で開拓した草木の自然染料で染めた糸を使い、つむぐ作品は色彩豊かなのが特徴。
志村ふくみの着物
引用元:https://i.pinimg.com/
草木染めの色を機織り機で織り上げているため、非常に特徴的な風合いを持った着物に仕上がっています。
志村ふくみの証紙
引用元:https://tokusenkimono.com/
志村ふくみの証紙は素人目で見ても分かるようになっています。作家物の着物は、証紙の有無で買取額が変わってくるため、お持ちの場合は証紙を確認しておいてください。
羅・経錦の重要無形文化財保持者「北村武資」の着物
中古市場でも中々出回らることがない、絽・紗・羅織の着物や帯は高額査定が出やすいですが、その中でも「羅」は特に高額が期待できます。
羅の重要無形文化財保持者である「北村武資(きたむらたけし)」の羅は、古代中国から伝わり幻の織物と言われた「羅」を独自の技法で制作しており「上品羅(じょうぼんら)」と銘が付けられています。
また、北村武資は羅の他に「経錦(たてにしき)」でも重要無形文化財保持者の認定を受けている類まれな着物作家です。
北村武資の帯
[左:羅の帯][中央:煌彩錦(こうさいにしき)の帯][右:経錦の帯]
引用元:http://www.kawanoya.co.jp/
古代織の再現だけに留まらず、新しい世界観に挑戦し続けている北村武資の着物制作は60年を超えています。まさに匠の世界です。
北村武資の落款
引用元:https://onlineshop.motoji.co.jp/
北村武資の落款は独特の形と自体で、パッと見では確認しにくいかもしれません。
紅型で最初の人間国宝「玉那覇有公」の着物
紅型で両面染めをする唯一の作家で、「玉那覇有公(たまなはゆうこう)」の作品は、何色もの色が重ねられ、緻密で立体的なのが特徴で、若い人が見ると民族的な柄に見えるかもしれません。
結婚を機に紅型に触れ、良きアドバイザーでもあった奥様・道子さんと一緒に独自の世界観を築いており、60歳にして琉球紅型の人間国宝に認定されています。
また、息子の玉那覇有勝氏も紅型の制作をしており、彼が制作した着物、帯、反物も高額買取対象となっています。
玉那覇有公の着物と帯
引用元:https://fs.nihonkogeikai.or.jp/
他の誰にも真似できないと言われるほど、緻密な図案が特徴の玉那覇有公の着物です。
玉那覇有公の落款・証紙
引用元:https://www.kaitori-kimono.biz/
上の画像は玉那覇有公の落款になります。少し見ただけでは全く分かりませんが、確認する際はこの画像とお手持ちの着物を照らし合わせてみてください。
黄八丈「山下め由」の着物
黄八丈は、東京都の八丈島に自生する植物の煮汁で、黄色・鳶色・黒に染色された糸を綾織にした、国の伝統的工芸品に認定されている織物です。
江戸時代から守り継がれた染め技法を守り続け、東京都の無形文化財の認定されている染織家の「山下め由(やましたゆめ)」の作品は、鮮やかな中に上品さを兼ね備えているのが特徴。
娘である八百子(やおこ)と孫である芙美子(ふみこ)も黄八丈の技法を受け継ぎ守り続けていますが、山下め由の作品は特に希少価値が高いです。
山下め由の着物と印
引用元:https://tokusenkimono.com/
黄八丈といえば、山下め由と言われるほどの知名度と人気があります。後継者も育てており、300年の歴史を持つ伝統工芸「黄八丈」の匠です。
刺繍で人間国宝「福田喜重」の着物
着物は染めや織物だけでなく刺繍を施してある物も多く、刺繍の分野で初めて人間国宝に認定された「福田喜重(ふくだきじゅう)」の作品も人気が高いです。
自然物を流動的に表現し、色糸で描かれるグラデーションや繊細で流れるような曲線が描かれる福田喜重の作品は、奥行きのある絵柄が特徴。
福田喜重の落款はいくつかあり、父であり師でもある喜三郎へ敬意を評して、喜三郎のなめである「㐂三郎」としているものもあります。
福田喜重の着物
引用元:https://onlineshop.motoji.co.jp/
誰もが綺麗と思ってしまうような刺繍や色味で、高価で取引されるのも当然だと思ってしまいます。
福田喜重の落款
引用元:https://tokusenkimono.com/
2020年には40周年を迎えた福田喜思重の落款です。㐂三郎と書いてあるものはすぐに判別できると思います。
作家物の着物が高く売れる方法は?
着物作家のことはまったくわからないという人でも、自宅に眠っている着物を売りたいと考えている人はいると思います。
そういった人は落款や証紙の有無を確認して、売る手段を検討しましょう。着物を売る場合の手段は主に以下の5点があります。
【着物を売る手段】
- オークション
- フリマアプリ
- リサイクルショップ
- 質屋
- 買取業者
上記の中で手段ごとにメリットやデメリットがあるので、自分の希望する手段はどれに当てはまるか確認してみてください。
オークション・フリマアプリで作家の着物を売る場合
オークションやフリマアプリは、自分の希望する金額で売りに出すことができるので、ある程度着物について分かっている人なら高く売れる可能性があります。
しかし、自分自身が着物の価値を分かっていないと買い手がつかないことも多々あります。
さらにオークションやフリマアプリの特性上、できるだけ安く手に入れたい人が見たり、競り落とすサービスなので有名作家の着物でも素人が高い値段をつけて売るのは難しいです。
そのためこの方法は着物に詳しく、返信や発送などの時間が取れる方のみおすすめです。
リサイクルショップ・質屋で作家ものは売れる?
リサイクルショップのなかには着物を買取ってくれるところもありますが、着物の価値を判断できる専門の査定士がいないので、美品かどうかのみで判断されます。
そのため、有名作家の作品であったとしても、0円査定で引き取りなんてことが起こるかもしれません。
せっかく高額で売れるかもしれない着物が、ほとんどお金にならないのは非常に勿体ないです。
着物専門の査定士がいる買取業者に売る
落款や証紙、、作家の名前の入った箱があるような着物であれば、着物買取専門業者に依頼することをおすすめします。
ただの買取業者ではあまり高額な査定が出ないかもしれませんが、それでもリサイクルショップなどよりは確実に高額で買い取ってくれることがほとんどです。
当サイトのおすすめで紹介している、着物専門買取業者なら専門の査定士が見てくれますし、買取方法も「出張買取・宅配買取・持込買取」と選択できる業者が多いので、時間と手間をかけずに着物を売ることが可能です。
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まとめ
基本的に作家物の着物には落款が入っているので、専門の査定士が見れば誰の作品なのかは一目で分かりますし、どれくらい希少性が高いかを判断してくれます。
普通は落款を見ても誰の作品か分からないうえに、名前を聞いても人気の着物作家なのか分からない人のほうが多いと思うので、そういった人は専門の査定士に任せたほうが無難です。
また、当サイトで紹介している買取業者であれば、査定後のキャンセルも可能なので、お手持ちの着物の価値を知るためにとりあえず査定に申し込んでみるのもアリです。
着物買取業者選びに迷ったらどうすればいい?
着物買取業者がたくさんありすぎて、どこを選べばいいのか迷ってしまうことがあるはず。
「着物売るガイド!」では、着物買取業者を徹底比較して特徴などを分かりやすくまとめたものを、ランキング形式で掲載しています。
着物買取業者選びに迷った時は、ぜひ一度チェックしてみてください!