藍染着物は高く売れる?買取相場と高額査定のポイントについて徹底解説!
2018年11月22日
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身近な藍染の衣類といえば、デニム生地でできたパンツの「ジーンズ」です。
子供からお年寄りまで老若男女を問わず履かれていますよね。
その他には、作務衣(さむえ)や甚平・のれんなどの藍染のものを知っている人もいると思いますが、着物にも藍染のものがあります。
丈夫で使うほどにいい色になる藍染の着物は、中古市場でも人気が高く、意外と高く買取してもらえる着物の1つです。
ただし、高く買取してもらうには少しコツがあるので、このページでは、高く売るコツや買取相場について説明し、藍染の着物について詳しく紹介していきたいと思います。
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藍染の着物の買取相場はどれぐらい?
着物を売る時に気になる買取相場は、着物の種類や産地などによっても違ってきます。
下記表は、着物買取専門業者大手のスピード出張買取バイセル(元・スピード買取.jp)と福ちゃん・宅配買取専門業者の久屋が、公式サイト内で発表している買取相場です。
藍染の着物の買取相場は、とくに発表されていませんが、藍染の着物は普段着なので、種類としては紬や小紋と同等です。
しかし、有名な織物もあり、その場合は、高く買取してもらえることもあります。
有名な織物であれば、伝統工芸品の買取相場を参考にしてください。
ただし、着物は状態によって買取額が変わるので、必ずしも相場の金額で買取してもらえるわけではありません。
ですから、買取相場はあくまでも目安として参考にしてください。
【バイセル買取相場】
着物の種類 | 買取相場 |
---|---|
作家物(有名作家物/人間国宝など) | 3,000円~800,000円 |
留袖(色留袖/黒留袖) | 2,000円~200,000円 |
振袖 | 2,000円~500,000円 |
友禅(京友禅/加賀友禅/東京友禅/十日町友禅など) | 3,000円~500,000円 |
訪問着 | 2,000円~500,000円 |
付け下げ | 2,000円~200,000円 |
紬(大島紬/結城紬/黄八丈紬/塩沢紬/牛首紬など) | 1,000円~500,000円 |
小紋 | 1,000円~200,000円 |
色無地 | 1,000円~50,000円 |
【福ちゃん買取相場】
高価買取対象 | 価格 | 高価買取対象 | 価格 |
---|---|---|---|
振り袖 | 10,000円~ | 訪問着 | 10,000円~ |
袋帯 | 8,000円~ | 紬 | 7,000円~ |
黒留袖 | 6,000円~ | 小紋 | 6,000円~ |
名古屋帯 | 6,000円~ | 人間国宝 | 30,000円~ |
伝統工芸 | 30,000円~ |
【久屋買取相場】
藍染の着物の買取実例
藍染の着物は、普段着として着るものですが、大島紬や久留米絣などの有名織物にも藍染は使われていて買取している業者も多いです。
たとえば、六角堂では、藍大島といわれる大島紬を1万円で、作家物の阿波藍染の訪問着を25,000円で買取しています。
また、彩羽(あやは)では、藍染作家の留袖を25,000円で買取しているなど、しっかり買取額が付いています。
そもそも藍染って何?
藍染とは、蓼藍(たであい)といわれる、タデ科の1年草の植物のインジゴ(インディゴの語源)という成分を発酵させた染料で生地を染めること。
藍染の歴史は古く、人類最古の植物染料ともいわれているほどです。
たとえば、紀元前4500年前のインダス文明の遺跡から、藍染の工房跡が発見されていたり、紀元前2000年前のエジプト古代都市・テーベの古墳から出土したミイラに巻かれていた麻布が藍染だったことからもわかります。
他にも、紀元前2~3世紀にペルー中部で栄えたパラカス文明の遺跡から藍染の木綿の布が出土していたり、紀元前3世紀の中国では師匠と弟子の関係を藍染に例えた「出藍の誉れ(しゅつらんのほまれ)」が書き記されているなど、古代から世界中で藍染の技法は使われていたのです。
※出藍の誉れ・・・思想家:儒学者の荀子(じゅんし)の残した言葉で「青ハコレヲ藍ニ取リテ 藍ヨリモ青シ」のこと
ただし、日本に入ってきたのはずっと後で、正確な年代はわかっていませんが、およそ1500年~1800年前に中国から伝わってきたといわれてます。
藍染は体にいい?
もともと日本には、漢方薬として伝わってきたといわれていて、藍染の原料となる植物には、血液浄化・解毒・解熱・喘息・水虫などに効果のある成分が含まれているといわれています。
その他にも、細菌が増殖するのを抑制する効果や、虫の嫌いな成分が含まれているとして、染料としても使われるようになり、鎧の下に藍染の下着をつけ、切り傷や虫刺されから身を護るために着るようになっていきました。
その後、藍染が庶民に普及したのは、江戸時代に入ってからで、それまで麻を使用していた野良着やもんぺなどに木綿を使うようになったのがきっかけです。
藍染の衣類は、消臭効果や虫よけ効果があるだけでなく、塩水や潮風にも強く色褪せしにくいので、庶民に爆発的に広がっていきました。
そして、実用的で美しい染め上がりの藍は、庶民の衣服の主な染料として、欠かせないものになっていったのです。
醗酵させた液で染める藍染は日本のみの染め方
藍染は植物からできる染料で染色する技法ですが、藍染に使われる植物として、藍という特定の植物があるわけではありません。
藍(アイ)とは、インジゴ(日本では藍色と言っている)という青くなる色素を含んでいる植物の総称で、タデ科の蓼藍(タデアイ)・マメ科のインド藍・キツネのゴマ科の琉球藍・アブラナ科のウォードの4種類。
日本の藍染の多くはタデ科の蓼藍からできる染料で染められています。
一般的に、藍染の染料となるインジゴの色素は、水に溶けにくいインジゴの性質を利用して、沈殿法という方法で染料にします。
しかし、日本で多く使われている蓼藍は、4種類の中で一番色素の含有量が少ないため、沈殿法だけでは染色に十分な染料が作ることができません。
そのため、蒅(すくも)という染料の原料となる堆肥状のものを作り、その蒅(すくも)に石炭とふすま(小麦の外皮)を加え、木炭からとった灰汁(あく)を使い撹拌し、さらに発酵させて染色液を作り染めています。
[発酵後にできる「蒅(すくも)」]
この方法で作られた染色液で染めたものを「灰汁発酵建藍染(あくはっこうだてあいぞめ)」といい、日本にのみ残っている染色方法です。
そして、江戸時代から伝わる、すべて天然の蒅・灰汁・石灰・ふすまを使ったものを「天然灰汁発酵本藍染」といいます。
この天然灰汁発酵本藍染の藍色こそが『ジャパン・ブルー』と呼ばれる、世界でも高い評価を受けている色なのです。
そして、この本藍染の原料となる蒅(すくも)の一大産地が、かつて阿波といわれた現在の徳島県で、上質の蒅(すくも)は俵に包まれ、大坂や江戸など全国で使われていました。
現在は、天然灰汁発酵本藍染のものは数%しか作られておらず、とても希少価値の高いものになっています。
※すくもという原料は日本独自のもののため、くさかんむりに染と書く「蒅」という文字は、国字で漢字ではありません。
日本の伝統的な藍染の方法を詳しく知りたい場合は、下記のサイトを参考にしてください。
参考:伝統的な藍染め
有名織物や老舗の浴衣にも藍染のものがある
藍染は、木綿と最も相性が良いこともあり、浴衣や絣の着物の染色によく使われています。
有名織物だと、阿波正藍しじら織や久留米絣・琉球絣などがあり、着物に詳しくない人でも知っている大島紬にも藍染のものがあります。
また、浴衣の老舗といわれる、竺仙(ちくせん)や三勝の浴衣にも藍染のものがあり、人気が高いです。
『阿波正藍しじら織』
阿波正藍しじら織とは、藍の染料の一大産地徳島県で作られる、阿波正藍という徳島産天然藍染料のみを使用した織物のこと
阿波正藍しじら織は、経済産業大臣の認定する伝統的工芸品に指定されていて、徳島県のとくしま市民遺産にも選ばれています。
[左:阿波正藍しじら織 反物][右:阿波正藍しじら織 伝統的工芸品証紙付反物]
『久留米絣』
久留米絣とは、福岡県久留米市で織られる、木綿の紺絣のことで、紺絣の紺は藍染で出される色のことです。
久留米絣の藍色も天然藍を使って染色されていて、木綿の着物でありながら、国の重要無形文化財に指定されています。
[左:重要無形文化財 久留米絣 単衣着物][右:久留米絣 証紙]
『琉球絣』
琉球絣とは、かつて琉球王国と呼ばれた沖縄県で織られる絣織の織物のこと。
琉球絣の藍染に使われる藍は、日本で多く使われている蓼藍ではなく、琉球藍が使われています。
[左:琉球絣 藍染着物][右:琉球絣 証紙]
『竺仙』
竺仙は、1842年(天保13年)から続く江戸染浴衣の老舗です。
竺仙の浴衣にも藍染は多く、長板中形(ながいたちゅうがた・中形は浴衣のこと)という江戸時代の浴衣の製作技法で染色されています。
[竺仙 藍染反物 証紙]
『三勝』
三勝は1894年(明治27年)から続く織物問屋で、浴衣や木綿の染め物などを作っています。
三勝の浴衣にも藍染のものがあり、竺仙と同様に人気が高いです。
また、三勝には、長板中形で人間国宝に認定されている清水幸太郎が専属職人として、三勝を支えています。
[三勝 藍染 証紙]
藍染の着物の有名作家
藍染の染色家には人間国宝に認定されている人や、各都道府県が独自に認定している重要無形文化財の技術保持者に認定されているなど、有名な作家がいます。
人間国宝に認定されている作家には、千葉あやの(正藍染)がいます。
その他にも、人間国宝ではないものの、国選定阿波藍製造技術無形文化財に認定されている佐藤昭人(さとうあきひと)や阿波藍型染色家の香川卓美(かがわたくみ)や天然灰汁発酵本藍染技術保持者の矢野藍游(やのらんゆう)などの作家も有名です。
『千葉あやの』
千葉あやのは、日本で最古の正藍染の伝承者として、1955年(昭和30年)に人間国宝に認定されています。
染料となる麻(大麻)と藍(縮藍)の種まきから染までのすべての作業を一人で行い、藍を自然の温度で発酵させるのが特徴であったために、生産量は極めて少ないので、とても希少価値が高い作家です。
[左:千葉あやの 正藍染 着物][右:千葉あやの 証紙]
『佐藤昭人』
佐藤昭人は、19代続く佐藤阿波藍製造所の19代目の藍師で、現代の名工・国選定阿波藍製造技術無形文化財保持者に認定されています。
阿波藍の元となる「?(すくも)」という、江戸時代から続く伝統の製法を守り藍染の原料を作っている職人です。
[左:佐藤昭人 着物][右:佐藤昭人 証紙]
『香川卓美』
香川卓美は、阿波藍染で徳島県の無形文化財保持者に認定されている作家で、独特のシボ(しわ)のため、型染めが困難な徳島県の伝統工芸品のしじら織りに、藍の抜染の技法をほどこし、業界を賑わせました。
また、友禅染の研究を活かし、正絹に正藍型染法をほどこした「阿波友禅」の名前の正藍型染法の技法は、香川卓美独自の技法として確立した作家です。
[左:香川卓美 着物][右:香川卓美 落款]
『矢野藍游(やのらんゆう)』
矢野藍游は、江戸時代から伝わる伝統技法の、天然灰汁発酵本藍染技術保持者で、着物だけではなく、ベビー用品や浴衣など様々な製品の染色をしています。
明治以降、化学合成の人造藍が大量生産されるようになり、天然藍の生産は、現在では藍染生産量全体の1%程度ですが、矢野藍游の作る作品は天然にこだわり、ジャパン・ブルーを守っている作家です。
藍染着物を売るポイント
藍染の着物は、木綿のものが多いので売れないと思っている人もいますよね。
しかし、藍染の着物のなかには、有名織物や作家のものもあり、買取してもらえることもあります。
木綿の藍染は証紙がないと買取してもらえない?
藍染は多くが木綿なので、買取してもらいにくいですが、上記で紹介したような、阿波正藍しじら織や久留米絣・琉球絣などの有名織物の場合、証紙があると買取してもらいやすいといえます。
また、有名織物のなかには、重要無形文化財に指定されているものや、伝統的工芸品に認定されているものもあるので、伝統証紙や重要無形文化財と織り込んであると高く買取してもらえることもあります。
人間国宝や有名作家の藍染の着物は高く売れる?
上記でも紹介しましたが、藍染の人間国宝や有名作家が染色した着物や反物などもあり、高く買取してもらえることもあります。
作家物の場合、織出しのところに白く染め抜きしてあるので、ハギレがあるといいです。
[左:千葉あやの 染め抜き][中央:香川卓美 染め抜き][右:佐藤昭人 染め抜き]
藍染の着物を売るなら着物買取専門業者に任せるのが一番!
藍染の着物は、普段着として着るものがほとんどなので、買取してもらいにくい着物です。
しかし、藍染の着物のなかには、有名織物や作家物など価値の高いものもあるので、きちんと価値を判断できるところで売れば、思いがけず高く買取してもらえることもあります。
そのためには、どこで売るかが重要になります。
着物を売る方法として選ばれるのは、下記の3つの方法が多いと思います。
【着物を売る方法】
1,リサイクルショップに持っていく
2,オークションやフリマアプリで売る
3,着物買取専門業者に売る
それぞれの方法には、メリット・デメリットがあると思いますが、メリット・デメリットを理解したうえで、売る方法を選ぶことをおすすめします。
3つの方法のメリット・デメリットを簡単にまとめたので、参考にしてください。
リサイクルショップ
着物の買取をしているところが少なく、買取しているところでも、専門の査定士がいないので、着物の価値に関係なく買取されるので、損することもあります。
オークションやフリマアプリ
スマホで簡単に登録することができるので、撮影した着物をアップロードするだけで、家に居ながらにして売ることができるので便利です。
しかし、一見手軽で簡単そうですが、購入希望者の質問への対応や送付などの手間がかかります。
また、藍染の着物は安く見られがちなので、高い値段を付けても買い手がつかないことや、ある程度知識がないとトラブルになることも・・・
着物買取専門業者
専門の査定士がきちんと価値を判断して査定してくれるので、納得して売ることができます。
万が一、金額に納得がいかない場合も、キャンセルすることができ、手数料も一切かからないので安心です。
買取方法も「出張買取」「宅配買取」「持込買取」の3つあり、自分にあった方法で依頼することが可能。
出張買取や宅配買取なら、持ち運ぶ必要もないので、家にいながらにして着物を売ることができるので便利です。
数社の着物買取専門業者に査定してもらうといい
着物買取専門業者とは、着物に関するものを専門に買取をして、独自に持っている販売先に売るといった、洋服でいう古着屋のようなものです。
着物買取専門業者はとてもたくさんあり、買取業者によって買取した着物や帯の販路はさまざまです。
そのため、欲しい着物や帯も業者によって違い、買取額も違うので、同じ藍染の着物でも、高く買取してもらえるところもあれば、低い金額にしかならないということもあるのです。
たとえば、刺繍入りの着物を3社に査定してもらった場合、A社は2万円・B社は1万円・C社は5,000円ということもあるということ。
たしかに、何度も対応するのは面倒かもしれません。
しかし、人間国宝や伝統的工芸品の着物の場合、思いがけず高く買取してもらえることもあるのです。
大事にしてきた着物を安く買い叩かれないためにも、着物買取専門業者は、査定費用が一切かからないので、手間を惜しまず複数の買取業者に見てもらいましょう。
数社に見てもらえば、納得のいく業者にきっと出会えると思います。
まとめ
藍染の着物は、有名織物にも多く、カジュアルに着れるので、人気が高いです。
しかし、天然ものの藍染は、合成染料や安価で早く濃く染まるインド藍におされ減少し、今では数%しか作られていないので、安く買い叩かれたり、買取自体してもらえないこともあります。
ですが、近頃では、天然の藍染は体にいいだけではなく、環境にも優しいと、天然藍の価値が見直されてきているので、有名織物や作家物の藍染は高く買取してもらえることもあるのです。
そんな藍染の着物は、着物買取専門業者を上手に利用して、きちんと価値を判断してもらえるところで売るといいですね。
着物買取業者選びに迷ったらどうすればいい?
着物買取業者がたくさんありすぎて、どこを選べばいいのか迷ってしまうことがあるはず。
「着物売るガイド!」では、着物買取業者を徹底比較して特徴などを分かりやすくまとめたものを、ランキング形式で掲載しています。
着物買取業者選びに迷った時は、ぜひ一度チェックしてみてください!