西陣織は高く売れるって本当?買取相場と高く売るポイントについて徹底解説
2018年9月20日
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着物に詳しくない人でも「西陣織」という名前を聞いたことがある人は多いのでは?
豪華絢爛なものが多い西陣織は、振袖や留袖・訪問着などの礼装に締められる帯に多いので、持っている人もいると思います。
そんな振袖や留袖・訪問着などを持っている人のなかには、着物を売りたいけれど「豪華な帯だけあってもしょうがないから、帯も一緒に売れないの?」と、思っている人もいますよね。
大丈夫です。着物だけでなく、帯も買取してもらえます。
着物を着る時に必需品の帯は、一緒に売れるだけではなく、一緒に売ることで買取額がUPすることも・・・
そこでこのページでは、振袖や留袖・訪問着に合わせて持っている人が多い、西陣織について詳しく説明し、買取相場や高く売るコツを紹介していきたいと思います。
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西陣織の買取相場はどれくらい?
このページで紹介する西陣織は、着物地としてではなく、帯地として使われる織物です。
帯も買取対象になっているので、帯だけでも買取してもらえますが、気になるのはその買取相場ですよね。
下記表は、着物買取専門業者大手のスピード出張買取バイセル(元・スピード買取.jp)と福ちゃん・宅配買取専門業者の久屋が、公式サイト内で発表している買取相場です。
ただし、着物や帯は、状態によって買取額が変わるので、必ずしも相場の金額で買取してもらえるわけではありません。
買取相場は、あくまでも目安として参考にしてください。
【バイセル買取相場】
着物の種類 | 買取相場 |
---|---|
作家物(有名作家物/人間国宝など) | 3,000円~800,000円 |
留袖(色留袖/黒留袖) | 2,000円~200,000円 |
振袖 | 2,000円~500,000円 |
友禅(京友禅/加賀友禅/東京友禅/十日町友禅など) | 3,000円~500,000円 |
訪問着 | 2,000円~500,000円 |
付け下げ | 2,000円~200,000円 |
紬(大島紬/結城紬/黄八丈紬/塩沢紬/牛首紬など) | 1,000円~500,000円 |
小紋 | 1,000円~200,000円 |
色無地 | 1,000円~50,000円 |
【福ちゃん買取相場】
高価買取対象 | 価格 | 高価買取対象 | 価格 |
---|---|---|---|
振り袖 | 10,000円~ | 訪問着 | 10,000円~ |
袋帯 | 8,000円~ | 紬 | 7,000円~ |
黒留袖 | 6,000円~ | 小紋 | 6,000円~ |
名古屋帯 | 6,000円~ | 人間国宝 | 30,000円~ |
伝統工芸 | 30,000円~ |
【久屋買取相場】
西陣織の買取実例
西陣織といえば、なんといっても帯地に多いです。
西陣織は、帯の他にもバッグや小物なども作られていますが、買取してもらいやすいのはやはり帯。
しかし、西陣織のバッグや小物も買取してもらえることがあり、実際にどれくらいで買取されているか気になりますよね。
帯1本だけの買取額がわかるところが少なかったのですが、帯数本の買取額や草履と西陣織のバッグの買取額などを発表している買取業者があったので紹介します。
着物買取専門業者の大手、スピード出張買取バイセルの姉妹会社ともいえる買取プレミアムでは、京都西陣・服部織物の新品を含む良品の帯数点を58,000円や、京都西陣・誉田屋源兵衛(こんだやげんべえ)や作家物など未使用品を含む帯数本を102,000円で買取しています。
また、別の買取業者の最速123では、履きすぎて破れた草履と西陣織のクラッチバッグの2店を28,000円で、六角堂では、京都西陣・川島織物の本袋帯を2万円で買取していたりと、西陣織は高く買取してもらいやすい織物です。
西陣織ってどんな織物?
西陣織とは、京都市街北西部にあたる西陣地域で生産される、先染めの紋織物の総称のことで、特定の織物を指していません。
そのため、西陣織といえば「帯」と思う人が多いと思いますが、西陣織の紬や雨用のコート地・お召しなどもあるのです。
商品になっているものでいえば、帯はもちろん、ネクタイ・バッグ・小物・化粧まわしなど、数多くのものが作られています。
また、安土桃山時代に、中国の織技を取り入れて発展し、繻珍(しゅちん)・唐錦(からにしき)・金襴(きんらん)・緞子(どんす)など、12種類の品種を取り入れ、今では高級絹織物の代名詞ともなっている織物です。
西陣織の名前の由来は応仁の乱が関係している?
西陣織といわれるようになったのには、応仁の乱が大きく関係しています。
京都の織物の起源は、5~6世紀頃の古墳時代に、大陸からの渡来人・秦(はた)一族が、山城の国といわれた、現在の京都・太秦(うずまさ)あたりに住みつき、養蚕と絹織物の技術が持ち込まれたのがはじまりです。
平安時代に入り、都が平安京(京都)に移された時に、朝廷では絹織物の技術を受け継ぐ職人たちを、役所のもとに組織化して織部司(おりべのつかさ)という役職をあたえ、官営(今でいう国営)の職業とし、綾・錦などの高級織物を生産させました。
しかし、平安時代中期頃から、官営の織物工房が衰退していき、織部司として働いていた職人たちは、大舎人町(おおどねりちょう)で、自分たちの仕事として工房を立ち上げ、大陸からつねに新しい技を取り入れ優れた織物を織っていきました。
室町時代には、大舎人座(おおとねりざ)という同業組合のようなものを組織し、朝廷の内蔵寮(くらづかさ・現在の宮内庁のようなところ)だけではなく、一般の公家や武家などの物も織るようになっていったのです。
しかしながら、1467年(応仁元年・室町時代)に応仁の乱がおこり、織物職人たちはこの地を離れ避難し、職人たちが戻ったのは1477年(文明9年・戦国時代)年まで続いた戦乱後のこと。
ところが、戦乱で大舎人は壊滅状態で戻れなくなっていたので、職人たちは大舎人にほど近い京都市北西部に戻りました。
その戻った地が、応仁の乱で西軍が本陣を置いたところで、そのことにちなみ、この地域一帯を「西陣」と名付けられ、その地で織られる織物を「西陣織」と、呼ぶようになったのです。
西陣織の産地西陣は世界でも有数の高級絹織物の産地
応仁の乱後、西陣織は朝廷からも認められ、その後も中国の明(みん)の技術を取り入れ、優れた織物を生み出しました。
江戸時代になると世の中が安定し、町人文化が発展し、西陣織はますます繁栄します。
しかし、度重なる飢饉の影響や幕府による奢侈禁止令(しゃしきんしれい・贅沢禁止)・二度の大火にあったうえに、丹後や桐生などで上質の絹織物が織られようになり苦境に立たされたのです。
ですが、明治に入り、文明開化をチャンスととらえた西陣では、フランスに人材を派遣し、先進技術の導入を積極的に行い「ジャガード織物」の技術を取り入れ、伝統を大事にしながらも近代化へと発展していき、世界でも有数の絹織物の産地となりました。
帯の種類や柄の見分け方
西陣織を買取に出す時に一番多いのが帯だと思いますが、帯には種類(形体)があり、種類や柄で買取額が変わることもあります。
西陣織の帯は、結婚式や成人式などで着る、留袖や振袖に締めることが多いので、豪華絢爛な袋帯だけだと思っている人も多いと思いますが、袋帯だけではなくさまざまな種類の帯を作っています。
そして、帯の格にも関係する柄は、全通柄・六通柄・太鼓柄とあり、柄が多いほど高価です。
【帯の種類】
・丸帯
・袋帯
・名古屋帯
・袋名古屋帯
・単帯(ひとえおび)
・細帯
※帯の種類はいろいろありますが、ここでは西陣織工業組合のサイト内で紹介されている種類を紹介しています。
参考サイト:おびなび「帯の種類」
[丸帯]
丸帯とは、広幅地といわれる一般的な帯地のおよそ倍の1尺8寸5分(およそ70cm)で織られた生地を、二つ折りにして仕立て、長さがおよそ410cmで少し短めの帯のこと。
丸帯は最も格式の高い、第一礼装のときに締める帯とされてきましたが、一人では結べない丸帯は、現代では結ぶのが大変なうえに重いので、留袖や振袖に締める人はほとんどいません。
現在、袋帯を締めるのは、婚礼衣装か舞妓さんや藝妓さんくらいです。
しかし、結び目が大きく作れるので、振袖に丸帯を締める人もいるようです。
また、丸帯は希少価値が高く歴史的価値もあるので、高く買取してもらえることもあります。
[左:藝妓さんの締める丸帯][中央:丸帯][右:振袖に丸帯を締めた状態]
[袋帯]
重くて扱いにくい丸帯の代わりとして誕生したのが袋帯です。
基本的には礼装用の帯ですが、留袖や振袖の第一礼装だけではなく、色無地や訪問着などの準礼装にも締めることができ、着ていく場面によってはおしゃれ着として着る時にも締めることができます。
現在、袋帯といわれている帯は、表地と裏地を縫い合わせて帯にしているので、両脇に縫い目がありますが、丸帯と同じように二つ折りにして片側にしか縫い目のない本袋帯といわれる袋帯もあります。
帯の幅は8寸(およそ30cm)で丸帯の約半分で、長さは丸帯よりも少し長く430cm~450cm(体格によって変わる)です。
[左:袋帯][右:振袖に袋帯を締めた状態]
[名古屋帯]
名古屋帯とは、名古屋で考案されたことが由来となっている帯のことで、9寸名古屋帯ともいわれています。
袋帯の次に格式の高い帯とされていて、染帯と織帯があり、西陣織は格の高い織帯なので準礼装に使える帯です。
名古屋帯の場合、帯の長さと幅が反物と帯に仕立てた時とで違い、反物の幅は9寸(およそ34cm)で、長さはおよそ460cmですが、帯に仕立てると幅は8寸(およそ30cm)長さはおよそ360~380 cmになります。
そのため、帯幅を広くしたければ仕立ての時に調整できるのが特徴です。
[名古屋帯]
[袋名古屋帯]
袋名古屋帯は、おしゃれ着や外出着に締める帯で、名古屋帯との大きな違いは、もともと8寸の幅に織ってあるので、芯を入れずにそのまま締めれること。
そのため、袋名古屋帯には染帯はなく織帯だけで、ほぼ年中締めることができるので、使い勝手のいい帯です。
帯の長さや幅は、名古屋帯を仕立てた時のサイズと同じです。
[単帯]
裏を付けずに厚手に織った夏用の帯で、そのまま使える帯のこと。
二重太鼓(帯の結び方の名前)にして結ぶ8寸幅のものが一般的ですが、7寸や6寸・4寸(半幅帯)のものなどがあります。
[左:単帯 袋帯][右:単帯 半幅帯]
[細帯]
細帯は浴衣や普段着に締める帯のことで、半幅帯や小袋帯ともいわれています。
細帯はそのまま使えて、色んな柄のものがあり、リバーシブルで使えるものもあるので、便利で楽しめる帯です。
[細帯]
【帯の柄付け】
・全通柄
・六通柄
・お太鼓柄
[全通柄]
全通柄とは、帯全体に柄がある帯のことで、総柄や通し柄とも呼ばれている、柄の付け方のことです。
[左:全通柄 丸帯][右:全通柄 名古屋帯]
[六通柄]
六通柄とは、帯の6割ほどに柄が入れる柄付けのこと。
基本的に、帯は胴回りに二周巻くのですが、その巻いて隠れてしまう部分に柄が入っていない帯が六通柄です。
[左:六通柄 丸帯][右:六通柄 袋帯]
[お太鼓柄]
お太鼓柄とは、ポイント柄やとび柄とも呼ばれる、結んだ時に太鼓になる部分(背中にあたる部分)やタレ・お腹部分になるところにのみ柄がある柄付けのこと。
[左:お太鼓柄 袋帯][中央:お太鼓に結んだ時の名称][右:お太鼓柄 名古屋帯]
[柄付け]
西陣織は経済産業大臣が認定する伝統的工芸品
日本が世界に誇る絹織物の西陣織は、1976年(昭和51年)に、経済産業大臣が認定する伝統的工芸品に選ばれています。
伝統的工芸品に指定された技法は、西陣織の技法は11もあり、それぞれの技法に指定要件があり、その要件を満たしたものを西陣織とし、伝統証紙が貼られるのです。
西陣織とされている品種(織り方)は12種類
西陣織の品種は、綴(つづれ)・経錦(たてにしき)・緯錦(ぬきにしき)・緞子(どんす)・
朱珍(しゅちん)・紹巴(しょうは)・風通(ふうつう)・綟り織(もじりおり)・本しぼ織り・ビロード・絣織(かすりおり)・紬(つむぎ)の12種類あります。
12種類の品種には、それぞれに歴史があり、織り方が違います。
※12種類の品種の歴史と特徴を知りたい場合は、下記のサイトを参考にしてください。
参考:西陣織の品種
【西陣織の指定要件】
[原材料]
使用する糸は、生糸・玉糸(2つの蚕が作った繭から引いた糸)・真綿の紡ぎ糸、もしくは同等の材質を有する絹糸・綿糸・麻糸または金糸・銀糸とすること
[技術・技法]
「綴」
1,先染めの平織りとすること
2,緯糸(模様部分を除く)は「手投杼」を用いて筬(おさ)に対し斜めに打ち込み、筬打ちをすること
3,模様のあるものは、模様部分の緯糸は「小杼(こひ)」を用いて筬に対し斜めに打ち込みをした後、爪先又は「筋立」を用いて筬に対し平行に掻き寄せること
「経錦」
1,「ジャカード機」を用いる先染めの平織りまたは綾織りとすること
2,経糸は3色以上とし、3本以上の男巻から引き出し一群とした後、手作業により筬羽一羽ごとに引き込むこと
3,緯糸は「かげぬき」と「地緯糸」とを交互に打ち込むこと。
この場合において、緯糸の密度は1センチメートル間に40本以上とすること
4,紋は経糸で表わすこと
「緯錦」
1,「ジャカード機」を用いる先染めまたは先練りの綾織りまたは平織りの変化織りとすること
2,製織には「手投杼」「引杼」もしくは「八丁以上の杼」6枚以上の「伏せ綜絖」または「引箔装置」を用いること
3,紋は緯糸で表わすこと
この場合において、八丁以上の杼を用いて製織するものは「縫取り紋」をすること
「緞子」
1,「ジャカード機」を用いる先染めまたは先練りの朱子織りとすること
2,製織には「手投杼」「引杼」もしくは「八丁以上の杼」10枚以上の「伏せ綜絖」または「引箔装置」を用いること
3,紋は「地上げ紋」および「縫取り紋」とすること
「朱珍」
1,「ジャカード機」を用いる先染めの朱子織りとすること
2,製織には「手投杼」「引杼」もしくは「八丁以上の杼」6枚以上の「伏せ綜絖」または「引箔装置」を用いること
3,紋は緯糸で表すこと
この場合において「八丁以上の杼」を用いて製織するものは「縫取り紋」をすること
「紹巴」
1,「ジャカード機」を用いる先染めの綾織り、朱子織りまたは平織りの変化織りとすること
2,製織には「手投杼」「引杼」または「両松葉杼」を用いること
3,紋は「地上げ紋」とすること
「風通」
1,「ジャカード機」を用いる先染めまたは先練りの二重織りとすること
2,製織は、織物の表裏が転換するように2色以上の経糸および2色以上の緯糸を用いて経緯二重織りをすること
3,「縫取り紋」をすること
4,経糸の密度は1cm間120本以上とし、緯糸の密度は1cm間40本以上とすること
「綟り織」
1,「ジャカード機」を用いる搦み織りとすること
2,製織には「手投杼」もしくは「引杼」「紋振い」または「変り筬」を用いること
「ビロード」
1,先染めまたは先練りのたてパイル織りとすること
2,パイルは「パイル用針金」を手作業により筬に対し平行にさし入れて形成すること
「本しぼ織」
1,先染めまたは先練りの平織りまたは二重織りとすること
2,お召糸に使用する糸は下よりをした後、米糊その他の植物性糊料を手作業によりもみ込むこと
3,お召糸のねん糸には八丁式ねん糸機を用いること
4,しぼ出しは「湯もみ」によること
5,経糸の密度は1cm間100本以上とすること
「絣織」
1,先染めの平織りまたは朱子織りとすること
2,絣糸は経糸または経糸および緯糸に使用すること
3,たて絣にあっては、男巻から送り出される絣糸の絣模様を手作業により柄合わせし、絣模様を織り出すこと
4,たてよこ絣にあっては、経糸の絣と緯糸の絣とを手作業により柄合わせし、絣模様を織り出すこと
5,絣糸の染色法は「手くくり」「手摺り込み」また「板締め」によること
「紬」
1,先染めの平織りとすること
2,緯糸の打ち込みには「手投杼」または「引杼」を用いること
3,経糸に使用する糸は生糸または真綿の紡ぎ糸とし、緯糸に使用する糸は玉糸または真綿のつむぎ糸とすること
西陣織の見分け方
豪華絢爛な袋帯や丸帯を西陣織と思う人は多いのですが、西陣織の帯は豪華絢爛なものだけではないので、西陣織と見分ける方法は、証紙を見るのが一番です。
西陣織は、メガネ型の証紙が目印。
証紙は、金のホイル紙の紙製のものと、サテン地でできた布製のものとがあります。
また、西陣織と表示されるようになったのは2008年(平成20年)からで、それまでの物には「正絹」と記載されていました。
[袋帯用証紙]
この証紙は、名古屋帯・袋名古屋帯・小袋帯などにも貼られています。
[京袋帯用証紙]
京袋帯として織られたものに貼られています。
[爪掻本綴帯用証紙]
伝統の技で織られた爪掻本綴帯(つめがきほんつづれおび)のみに貼られる証紙です。
[黒共帯用証紙]
黒共帯にのみ貼られる証紙です。
また「西陣」「西陣織」「帯は西陣」は、西陣織工業組合の登録商標となっているので、組合で品質を管理し、検査に通過したものにのみ使える名称です。
証紙には、生産者番号(1000と表示されているところ)と帯地の種類を表示し、生産者の責任を明確にし、西陣のデザインと技が作り上げた西陣製品であることを証明のため、西陣織工業組合が発行しています。
組合員番号から、どこの会社のものか知りたい場合は、下記のサイトに証紙に記載されている番号を入力するだけで、調べることができるので、参考にしてください。
参考:組合員検索
西陣織の有名機屋
西陣産地は図案家や意匠紋紙業・撚糸業・糸染業などの業者が独立して企業を営んでいるため、数多くの工程は分業で行われています。
西陣の織屋の形態は、大きく分けて3つ。
1,自己工場のみで生産を行っている織屋
2,出機(でばた)のみで生産を行っている織屋
3,自己工場と出機を併用して生産を行っている織屋
※出機とは・・・織物業者が下請工場に製織を委託する業界制度のこと
下記は1の形態で生産している、名門といわれるところです。
【西陣織の名門】
・川島織物
・龍村美術織物
・株式会社細尾
など
[川島織物]
川島織物は、1843年(天保14年)に初代川島甚兵衛が、上田屋という屋号で呉服の悉皆屋(しっかいや)をはじめ、1884年(明治17年)に改良縮緬(ちりめん)の製織をするようになった、現在も続く西陣織の老舗です。
また川島織物は、1991年(明治24年)に、国内初の宮内庁御用達となった会社でもあります。
現在は、神戸のインテリアメーカー「セルコン(レース専門店)」と合併し、株式会社川島織物セルコンとなり、美術工芸織物とインテリア・室内装飾なども手がける会社となりました。
川島織物といえば帯ですが、草履の鼻緒やバッグなども手がけています。
川島織物の目印は、三本線に軍配のマークで、川島織物と刺繍されていたり、織り込まれていたりします。
※悉皆屋・・・染物・洗い張りを業とする人や店のこと
「龍村美術織物」
龍村美術織物は、西陣織の名門の中では比較的新しい会社で、1894年(明治27年)創業の、古代織物の研究と復元を基盤としながら「美術織物」という分野を確立した会社です。
初代龍村平蔵の織物は、世界的に有名なブランドのクリスチャン・ディオールをはじめ、海外の有名なデザイナーの生地として使われたり皇室にも献上されています。
現在は、帯をはじめ和雑貨や緞帳(どんちょう)などの織物も織られていて、龍村の帯はとても人気があります。
龍村美術織物の目印は、下のロゴマークで、社名の「龍」の字を中国の篆(てん)字を基礎にデザイン化し、ブランドマークとして、社章としても使っています。
[株式会社細尾]
株式会社細尾は、1688年(元禄元年)に本願寺御用達の織屋として織物業をはじめ、1923年(大正12年)に、織屋から着物と帯の卸売業に転身し、1990年(平成2年)に織屋としての製造機能も再び持つようになり、現在は世界にも販路を広げている会社です。
[左:株式会社細尾 目印][右:株式会社細尾 帯]
西陣織の着物を高く売るポイント
西陣織の帯は、帯のなかでも高く買取してもらいやすい帯ですが、高く売るにはいくつかポイントがあります。
老舗の機屋の織る西陣織は高く売れる?
西陣には、名門・老舗と言われる、歴史のある機屋がたくさんあり、そんな機屋の制作した帯は、希少性も高く人気があるので、高額で売れることもあります。
どこの機屋が作ったものかは、証紙に記載されている生産者番号が記載されているので、証紙があると
龍村平蔵の西陣織は西陣織のなかでも別格!高額が期待できる?
初代龍村平蔵の作品は、人気のTV番組の開運何でも鑑定団(2015年放送)で、200万円の値段がついたほど、希少価値が高く、買取して貰う場合も高くなることが多いです。
龍村平蔵は独自の織物技術を研究し、高浪織(たかなみおり)・ゴブラン織・絞結織(こうけちおり)などの美術織物の創作も行った織物研究家です。
龍村平蔵と織り込んであったら、高額になることもります。
[左:龍村平蔵 帯][右:龍村平蔵 証紙]
証紙や箱入りは買取額UP?
西陣織の証紙はもちろんですが、帯の多い西陣織は、箱があると買取額がUPすることも・・・
西陣織の帯の箱には、織屋の名前が入っているので、名門・老舗といわれるところの西陣織は、高く買取してもらえることもあるので、箱がある場合は箱も一緒に見てもらいましょう。
[龍村美術織物 箱入り帯と桐箱入り帯]
着物と一緒に売ると高くなる?
帯は着物を着る時の必需品ですが、とくに西陣織の帯は礼装に使うことが多いので、着物の色や図柄に合わせて帯を買う人が多く、着物とセットで売ると、買取額がUPすることも・・・
また、セットにして売る方が、中古でそのまま販売できることもあり、買取してもらいやすくなります。
使用頻度が低いほうが高くなる?
帯は、締める回数が多ければ多いほど、柔らかくなり締めやすくはなります。
しかし、金糸や銀糸がほどこされていることも多い西陣織は、使用頻度が高いと糸のほつれや毛羽立ちが目立ち、価値を下げてしまうことも・・・
そのため、帯は使わないなら、新しいうちに早く売ることをおすすめします。
西陣織を売るなら着物買取専門業者に任せるのが一番!
帯だけ買取してもらえるの?帯はどこで売ればいいの?と、迷う人は多いと思います。
帯も着物と同じように買取してもらえるので、価値を判断できるところで売るのが一番です。
しかし、売る方法によっては、安く買い叩かれることや、帯の価値を知らずに安く売ってしまうことがあり、損をすることもあります。
ですから、売る方法によるメリット・デメリットを理解したうえで、売る方法を選ばなくてはいけません。
[帯を売る方法]
1,リサイクルショップに持っていく
2,オークションやフリマアプリで売る
3,着物買取専門業者に売る
しかし、この中で最もおすすめできるのは、着物買取専門業者です。
リサイクルショップ
そもそも帯の買取をしているところが少なく、買取してもらえたとしても、専門の査定士がいないので、帯の価値に関係なく買取されるので、損することもあります。
オークションやフリマアプリ
簡単に登録することができるので、撮影した帯をアップロードするだけで、家に居ながらにして帯を売ることができるので便利です。
しかし、一見手軽で簡単そうですが、購入希望者の質問への対応や送付などの手間がかかります。
また、ある程度帯の知識がないとトラブルになることも・・・
着物買取専門業者
専門の査定士がきちんと価値を判断して査定してくれるので、納得して売ることができます。
着物専門といっても、着物に関するものならなんでも査定していて、着物を着るのに必需品の帯は、帯だけでも査定してもらえます。
万が一、金額に納得がいかない場合も、キャンセルすることができ、手数料も一切かからないので安心です。
買取方法も「出張買取」「宅配買取」「持込買取」の3つあり、自分にあった方法で依頼することが可能。
出張買取や宅配買取なら、持ち運ぶ必要もないので、家にいながらにして帯を売ることができるので便利です。
数社の着物買取専門業者に査定してもらうといい
着物買取専門業者とは、着物に関するものを専門に買取をして、独自に持っている販売先に売るといった、洋服でいう古着屋のようなものです。
着物買取専門業者は、とてもたくさんあり、買取業者によって買取した着物や帯の販路はさまざまなので、欲しい着物・帯も業者によって違い、買取額も違います。
そのため、同じ帯でも、高く買取してもらえるところもあれば、数百円にしかならないというところもあるのです。
たとえば、西陣織の帯を3社に査定してもらった場合、A社は10万円・B社は6万円・C社は1万円ということもあるということ。
たしかに、何度も対応するのは面倒かもしれません。
しかし、老舗の帯の場合は金額がもっと大きく変わることもあるので、少し手間がかかっても、数社に依頼して納得のいく買取業者を見つけることが大事です。
買取業者の査定費用は一切かからないので、大事にしてきた帯を安く買い叩かれないためにも、複数の買取業者に見てもらいましょう。
まとめ
西陣織は、京都西陣で織られる歴史ある織物で、多種少量で作られているので、希少価値の高い織物です。
西陣織は、帯だけでなく小物やバッグなどもあり、また豪華絢爛なものから普段着に使えるものまであり、製品の種類や織ってある品種など、さまざまなポイントで買取額が違うので、きちんと価値のわかるところで売らないと損をすることもあります。
そうならないためにも、着物買取専門業者を上手に利用して、西陣織の物を売るといいですね。
着物買取業者選びに迷ったらどうすればいい?
着物買取業者がたくさんありすぎて、どこを選べばいいのか迷ってしまうことがあるはず。
「着物売るガイド!」では、着物買取業者を徹底比較して特徴などを分かりやすくまとめたものを、ランキング形式で掲載しています。
着物買取業者選びに迷った時は、ぜひ一度チェックしてみてください!