小紋を少しでも高く売るためのコツとは?売る時のポイントと買取相場を解説
2018年11月21日
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親や祖母から譲り受けた着物をたくさん持っていて処分したい人や、着物が好きで買い集めたけれどタンスに入らなくなったから古い着物を処分したいという人もいますよね。
でも、振袖や訪問着のようなフォーマルに着れる着物ではなく、小紋の着物だから買取してもらえないのでは?と不安に思っていませんか?
心配しなくて大丈夫です。
たしかに、小紋の着物は振袖や訪問着に比べると、買取額は低くなることが多いですが、買取してもらえるのはもちろん、着物によっては高く買取してもらえることもあります。
ただし、高く買取してもらうには少しコツがあるので、このページでは、買取相場や高くなるポイントなどを紹介していきたいと思います。
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小紋の着物の買取相場はどれぐらい?
小紋の着物は、普段着やおしゃれ着として着る着物で、洋服でいうとカジュアルなワンピースのような位置づけになります。
そのため、着物を着る人は減りましたが、今でも着物を日常的に着ている人やお稽古ごとで着る機会がある人などが着る着物として人気があるので、持っている人も多いです。
そんな小紋の着物の買取相場には幅があります。
下記表は、着物買取専門業者大手のスピード出張買取バイセル(元・スピード買取.jp)と福ちゃん・宅配買取専門業者の久屋が、公式サイト内で発表している買取相場です。
ただし、着物は状態によって買取額が変わるので、必ずしも相場の金額で買取してもらえるわけではありません。
ですから、買取相場はあくまでも目安として参考にしてください。
【バイセル買取相場】
着物の種類 | 買取相場 |
---|---|
作家物(有名作家物/人間国宝など) | 3,000円~800,000円 |
留袖(色留袖/黒留袖) | 2,000円~200,000円 |
振袖 | 2,000円~500,000円 |
友禅(京友禅/加賀友禅/東京友禅/十日町友禅など) | 3,000円~500,000円 |
訪問着 | 2,000円~500,000円 |
付け下げ | 2,000円~200,000円 |
紬(大島紬/結城紬/黄八丈紬/塩沢紬/牛首紬など) | 1,000円~500,000円 |
小紋 | 1,000円~200,000円 |
色無地 | 1,000円~50,000円 |
【福ちゃん買取相場】
高価買取対象 | 価格 | 高価買取対象 | 価格 |
---|---|---|---|
振り袖 | 10,000円~ | 訪問着 | 10,000円~ |
袋帯 | 8,000円~ | 紬 | 7,000円~ |
黒留袖 | 6,000円~ | 小紋 | 6,000円~ |
名古屋帯 | 6,000円~ | 人間国宝 | 30,000円~ |
伝統工芸 | 30,000円~ |
【久屋買取相場】
小紋の買取実例
小紋の着物は、普段着の着物ということもあり、買取額はあまり高いとはいえません。
しかし、買取してもらいやすく、作家物や老舗の小紋なら高くなることもあります。
たとえば、少々古くシミのある夏物の絽小紋が12,000円(六角堂)で買取されていたり、京友禅の老舗・岡重の小紋が5万円や大正時代の付け下げ小紋が6万円(アート熊野堂)で買取されています。
そもそも小紋ってどんな着物?
小紋とは、生地全体に、同じ模様が繰り返し一方向に描かれている、染め着物の一種のこと。
小紋と聞いて、小さい模様がたくさん描かれている着物だと思っている人もいますよね。
たしかに昔は、武士の裃(かみしも)の小さな模様を型染めしたものを指し、その他の着物の柄は、模様の大きさによって「大紋」「中紋」「小紋」と呼び分けられていました。
しかし、現在では、昔ながらの小さな模様はもちろん、大小さまざまな模様の組み合わせや大胆に図案化した洋花など柄の大きさや形に関係なく、すべて小紋といわれています。
【小紋の着物いろいろ】
[大小さまざまな模様や縞柄もありますが、上の写真はすべて小紋です。]
小紋は同じ柄が繰り返されているため、多くが「型染め」という、型紙を使う方法で染められていますが、なかには手描きの小紋もあります。
基本的に小紋は普段着やおしゃれ着として着る着物ですが、手描き小紋は作家物に多く量産できないので価値が高く、訪問着として扱われるものもあるくらいです。
友禅染や紅型の小紋もある
型染めで染められる小紋が多いですが、友禅染や紅型(びんがた)の技法が使われている小紋もあり「京小紋」「加賀小紋」「紅型小紋」といわれています。
それぞれの小紋について見てみましょう。
『京小紋』
京都では、およそ1200年前の古くから型染めが行われていましたが、小紋が盛んになったのは、明治以降のこと。
もともと京小紋は単色でしたが、京友禅の影響を受け、1つ1つの柄が大きく、多色染めの色鮮やかなものが多くなりました。
また、京小紋は、1976年(昭和51年)に経済産業大臣が認定する伝統的工芸品に指定されています。
『加賀小紋』
加賀小紋は、加賀友禅染めの技法を用いて染められている小紋で、手描きと型染めの2つの方法があり、手描きは京小紋の影響を受け、型染めは江戸小紋の影響を受けています。
そのため、手描きは加賀友禅と同じ色使いで筆だけで描かれ、型染めは型紙を使って単色で染められ草木や花柄で、江戸小紋より優しい印象を受ける小紋です。
また、型染めの加賀小紋は、江戸小紋と同様に、紋を付ければ礼装としても着ることができます。
ただし、加賀染小紋を染めているのは、今では日本工芸会正会員の坂口幸市だけです。
『紅型小紋』
紅型小紋は、沖縄の染色技法の紅型を用いて染められた小紋のこと。
京小紋のように色鮮やかですが、図柄が京小紋より細かなものが多く、カジュアルな印象の小紋です。
紅型の小紋は、本場沖縄だけではなく、京紅型や江戸紅型もあります。
京紅型は、紅型の技法に京友禅の技法の型友禅を融合させ、植物の染料を使う琉球紅型に対し、京紅型は顔料を使って染色されます。
江戸紅型は、名前の通り紅型の技法を使って江戸で染色された紅型のことです。
色とりどりで華やかな本場の琉球紅型と違い、江戸好みの渋みのある落ち着いた色使いの紅型で、京紅型と同じように顔料で染色されています。
有名作家や老舗の小紋
友禅染や紅型の色彩や染色技法が影響していることもあり、人間国宝と呼ばれる有名作家や老舗の小紋もあり、とても人気が高いです。
有名作家の作品は振袖や留袖・訪問着と思っている人は多いと思いますが、普段着の小紋も手がけていて、型絵染の人間国宝:芹沢銈介や紅型の人間国宝:玉那覇有公・京友禅の伝統工芸士:五代目田畑喜八・現代きもの作家の斉藤三才などの作品があります。
また、老舗の作る小紋の着物もあり、人気があります。
小紋のなかでも別格の江戸小紋
通常、小紋は普段着やおしゃれ着として着る着物なので、紋を入れることはありません。
しかし「江戸小紋」と呼ばれる小紋は、紋を入れると礼装としても着ることができるので、小紋と付いていますが、紋の有無によっては格が変わります。
このページでは一般的な小紋について紹介しているので、江戸小紋について詳しく知りたい場合は、下記のページを参考にしてください。
※関連ページ:「江戸小紋を高く売るにはコツがいる!高額買取のポイントと買取相場を解説」
小紋を売るコツ
小紋の着物は、買取対象になっていますが、買取してもらえないこともあります。
小紋の着物を売るには、ちょっとしたコツがあるので、参考にしてください。
着物は状態が大事
着物を売る時に大事なのが、着物の状態。
小紋の着物は、普段着として着る着物なので、着物が好きで持っている人の場合は、着る頻度も高く、状態が悪くなっていることもあります。
そのため、汚れがひどいものやシミ・しわの多いもの、カビ・穴あきなどはもちろん、着ている頻度が高い着物は、高く買取してもらえないことや、買取自体してもらえないこともあるのです。
また、タバコの臭いや香水・ペットの匂いが染み付いているような場合も、買取額が低くなることや買取してもらえないことも・・・
買取業者によっては、買取してくれるところもありますが、売る前に風を通したり、きちんと畳紙(たとうがみ)に入れて、少しでもいい状態で見てもらうようにしましょう。
小紋の着物は図柄が大事?
普段着やおしゃれ着として着る小紋の柄行はとても大事です。
振袖や留袖などは、古典柄や吉祥紋様など、流行に左右されない柄がありますが、普段着やおしゃれ着として着る小紋には、定番という柄がとくにあるわけではないので、売る時の流行りに左右されます。
そのため、流行りすたりがあり、古く感じる柄だと、買取額が低くなることもあるのです。
比較的落ち着いた色・柄は、流行に大きく左右されませんが、個性的な色・柄の場合、タイミングによっては、買取額に影響することもあります。
売るなら仕立ててから10年以内を目安に
着物の買取の時に、着物の古さも重要です。
着物を売る時に状態が大事だといいましたが、古いかどうかが着物の状態に影響することがあります。
基本的に着物の素材は正絹ですが、正絹は月日が立つに連れ、黄色く変色してくるという特性があるので、古い着物は査定に影響することがあるのです。
また、着物は湿度やホコリに弱いので、タンスにしまったままにしていると、知らない間にカビがはえていることも・・・
変色やカビは、買取額に大きく影響するので、少しでも高く買取してもらいたいなら、着物を仕立ててから10年以内が目安です。
ただし、10年より古いものでも、きちんと手入れされていたり未使用品で状態がいい場合や、希少価値の高い着物の場合は、高く買取してもらえることもあるので、まずは着物買取専門業者に依頼することをおすすめします。
ポリエステルやレーヨンの小紋は買取してもらえない?
小紋の着物は、普段着として着る着物ということもあり、近頃では洗える着物といわれる、ポリエステルやレーヨンなどの化繊の小紋を持っているという人もいますよね。
普段着の着物の小紋は、たしかに洗えると便利ですが、買取となると難しいといえます。
着物買取専門業者が買取対象としている着物は、基本的に正絹の着物で、新品でも比較的安く売られている化繊の着物は買取してもらいにくいのです。
しかし、化繊の着物でも、洗えるきもの専門店として有名な「英(はなぶさ)」の着物や東レのシルックなどは、状態によっては買取してもらえることもあるので、ダメだと決めつけずに買取業者に相談してみましょう。
小紋の着物を高く買取してもらうには
小紋の着物の買取額は、振袖や留袖などの格の高い着物と比べると低いですが、高く買取してもらえるポイントもあります。
もしかすると持っている着物は、高く買取してもらえる着物かも・・・
どんな小紋なら高く買取してもらえるか、下記の内容を参考にしてください。
作家物の小紋は高く売れる?
着物には、作家物といわれる着物があります。
作家物の着物は、多くの工程が手作業で行われるため、大量生産ができません。
そのため、とても希少価値が高くなるので、高く買取してもらえることが多いのです。
作家物の着物のなかでも、人間国宝や伝統工芸士といわれる作家の着物は高額になることもあり、作家が故人の場合は希少価値が高くなるので、さらに期待できます。
また、作家によっては、名前を継承して代々受け継がれていることもあるので、初代と二代目以降では、買取額が違うこともあります。
作家物を見分ける一番簡単な方法は、右下前衽(おくみ)に染め抜きされている「落款」を見ること。
ただし、着ている時は、左の前身頃で隠れるのでわかりません。
下の写真は、斉藤三才の小紋ですが、右下に白く光っているように見えるのが、名前の染め抜きで、名前の下に落款が押してあることもあります。
小紋にも証紙がある?証紙があると高くなる?
紅型の小紋や、大島紬・結城紬・牛首紬などの有名産地の染物や紬の小紋の場合、産地を証明する証紙が付いているので、証紙があると買取額がUPするかも・・・
証紙がある場合は、小紋の買取額ではなく産地の織物としての評価がつくので、高く買取してもらえることもあるので、証紙も一緒に見せるようにしましょう。
[左:結城紬 小紋][右:結城紬 証紙]
日本の絹マークがあると高く売れる?
小紋の着物は染め着物なので、白生地に染色していきますが、その白生地にも産地があり、有名な白生地の産地で織られた白生地には、日本の絹を証明するシールや産地を証明するものがあります。
小紋は化繊も多いので、白生地の証紙があると買取額がUPするかも・・・
帯も一緒だと買取額UP?
小紋の着物は、着物全体に柄が入っているので、着物に合わせる帯は重要です。
小紋の着物に合った帯も一緒に売ると、買取した物をそのまま売りに出すことができるので、買取額がUPすることもあります。
帯は他の着物に合わすこともできますが、使わない場合や売りたい小紋にしか合わない場合は一緒に売ることをおすすめします。
小紋を売るなら着物買取専門業者に任せるのが一番!
小紋の着物は、格は高くありませんが、きもの好きの人にとても人気があり、中古でも欲しいという人が多いので、買取してもらえることもある着物です。
しかし、小紋の着物のなかには価値が高いものもあり、価値のわからないところで売ると、安く買い叩かれてしまうことも・・・
そうならないためにも、着物を売る方法はいろいろありますが、小紋の着物の価値をきちんと判断できるところで売らなければいけません。
そして、メリット・デメリットを理解したうえで、売る方法を選びましょう。
[着物を売る方法]
1,リサイクルショップに持っていく
2,オークションやフリマアプリで売る
3,着物買取専門業者に売る
上記の3つの方法のいずれかを選ぶ人が多いと思いますが、この中で最もおすすめできるのは、着物買取専門業者です。
リサイクルショップ
着物の買取をしているところが少なく、買取しているところでも、専門の査定士がいないので、着物の価値に関係なく買取されるので、損することもあります。
オークションやフリマアプリ
スマホで簡単に登録することができるので、撮影した着物をアップロードするだけで、家に居ながらにして売ることができるので便利です。
しかし、一見手軽で簡単そうですが、購入希望者の質問への対応や送付などの手間がかかります。
また、ある程度、着物の知識がないとトラブルになることも・・・
着物買取専門業者
専門の査定士がきちんと価値を判断して査定してくれるので、納得して売ることができます。
万が一、金額に納得がいかない場合も、キャンセルすることができ、手数料も一切かからないので安心です。
買取方法も「出張買取」「宅配買取」「持込買取」の3つあり、自分にあった方法で依頼することが可能。
出張買取や宅配買取なら、持ち運ぶ必要もないので、家にいながらにして着物を売ることができるので便利です。
数社の着物買取専門業者に査定してもらうといい
着物買取専門業者とは、着物に関するものを専門に買取をして、独自に持っている販売先に売るといった、洋服でいう古着屋のようなものです。
着物買取専門業者は、とてもたくさんあり、買取業者によって買取した着物や帯の販路はさまざまなので、欲しい着物・帯も業者によって違い、買取額も違います。
また、小紋は柄行や色が大事ですが、買取業者によって欲しい柄行や色も違います。
そのため、同じ小紋の着物でも、高く買取してもらえるところもあれば、数千円にしかならないということもあるのです。
たとえば、小紋の着物を3社に査定してもらった場合、A社は1万円・B社は5千円・C社は千円ということもあるということ。
たしかに、何度も対応するのは面倒かもしれません。
しかし、人間国宝や伝統的工芸品小紋の場合、思いがけず高く買取してもらえることもあるのです。
小紋の着物は、普段着やおしゃれ着として着る着物なので、愛着のある着物だと思います。
そんな、大事にしてきた着物を安く買い叩かれないためにも、着物買取専門業者は、査定費用が一切かからないので、手間を惜しまず複数の買取業者に見てもらいましょう。
数社に見てもらえば、納得のいく業者にきっと出会えると思います。
まとめ
小紋の着物を、普段着やおしゃれ着だからといって、高く買取してもらえないと思っている人も多いと思います。
しかし、小紋の着物のなかには、作家物や伝統的工芸品の着物もあり、高額になることもあるのです。
もしかしたら、高く買取してもらえることもある小紋の着物は、きちんと価値のわかるところで売らないと、後悔することにも・・・
着物買取専門業者の査定や買取は、費用が一切かからないので、着物買取専門業者を上手に利用して小紋を売るといいですね。
着物買取業者選びに迷ったらどうすればいい?
着物買取業者がたくさんありすぎて、どこを選べばいいのか迷ってしまうことがあるはず。
「着物売るガイド!」では、着物買取業者を徹底比較して特徴などを分かりやすくまとめたものを、ランキング形式で掲載しています。
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