着物の買取額は素材で決まる?ウールや化学繊維の着物でも売れるポイントを伝授
2018年5月28日
※当サイトには一部プロモーションが含まれています。
着物を売りたいと思っている人のなかには、ウールや化繊(化学繊維)の着物でも買取してもらえるのか心配している人もいるのでは?
たしかに、着物の買取で素材は重視されることの1つで、リサイクルショップでは、ウールや化繊の着物は値段がつきません。
しかし、着物買取専門業者なら、ウールや化繊の着物でも買取してもらえることもあります。
そこでこのページでは、着物にはどんな素材があるのか、絹以外の素材の着物を買取してもらえるポイントや、絹かどうかわからない着物の素材の見分け方などを紹介したいと思います。
【おすすめ記事】
- 最新の『着物買取業者おすすめランキング』をチェック!
口コミ評価や買取相場、高く売るためのコツまで徹底解説!
絹以外の着物の素材
着物の素材は、正絹(しょうけん・絹100%)だけと思っている人もいますよね。たしかに、基本的に着物は正絹のものが多いです。しかし、着物は正絹の他にも、ウール(毛)や綿・麻といった天然繊維のものと、化学繊維のものとに分けることができます。
化学繊維には13種類の合成繊維があり、着物に使用されているのは、主にポリエステルや人絹(じんけん)といわれるレーヨン・キュプラ・アセテートなどです。
また、2種類以上の質の違う繊維を、経糸(たていと)と緯糸(よこいと)に用いて織ってある交織(こうしょく)といわれる織物もあります。 正絹以外の素材の特徴は以下になります。
化繊の着物
化繊の着物で最も多いのは「ポリエステル」 ポリエステルの着物が出始めた頃は、風合いも悪く安物の着物として認識されていました。今では、見ただけでは正絹と区別がつかないくらいの風合いになってきています。しかし、光沢感や軽さ・しなやかさは、今でも断然正絹の方が上です。
ポリエステルの着物の特徴は、耐久性が高く吸湿性が低いこと。耐久性に優れているので、気軽に洗濯ができてしわや型崩れしにくいうえに、高温にも強いためアイロンがかけれて、手入れが簡単です。
また、吸湿性が低いポリエステルは、水に濡れても乾きやすいので、サラサラとした手触りを保ってくれます。
そして、なんといってもポリエステルは、カビや害虫の被害を受けにくいので、正絹やウールなどの着物に比べると保管が簡単なのが魅力です。
ただし、ポリエステルの着物は正絹の着物よりも安く、普段着として着るには最適で、需要が増えていますが、買取してもらう時の買取額は安くなる傾向にあります。
暖かくて手入れが簡単なウールの着物
ウールの着物は羊毛を原料とした織物で、経糸(たていと)・緯糸(よこいと)共にウールで織ったものと絹糸とウールの交織織物のシルクウールとがあります。
ウールの着物が流行ったのは、着物がまだ普段着として着られていた昭和の頃。
温かいだけでなく、手入れが簡単で値段も低く、お召風(おめしふう)や紬風のシルクウールは外出着としても重宝されていて、見た目にウールとわからない風合いのものもあります。
ただし、ウールの着物はほとんどの買取業者で買取をしていません。
暑い時に重宝する麻や綿の着物
夏の着物といえば「浴衣」と思う人は多いと思いますが、薄物といわれる絽(ろ)や紗(しゃ)という透け感のある織り方の着物も人気があります。絽や紗織の着物は、綿だけでなく正絹や麻・綿麻などでできていて、付け下げや訪問着などもあります。
特に、上布と言われる麻の織物は、絹ほどではないにしても高価で、重要無形文化財に指定されているものもあるくらいです。
着物の素材別写真 下は素材ごとの写真ですが、着物に詳しくない人が見ると、どれが正絹なのか区別がつかないと思ったものもあるのでは?
絹かどうかは触ればわかるのですが、それも日常的に着物に触れていないと判断するのは難しいです。
そのため、着物をフリマアプリやオークションで売る場合は、素材がわからないと出品できなかったり、リサイクルショップでは、専門の査定士がいないからきちんと判断してもらえず、安く買取られてしまうのです。
その点、着物買取専門業者なら専門の査定士が査定してくれ、見て触ればどんな素材か判断することができるので、着物を売りに出す時は、まず専門の業者に依頼することをおすすめします。
絹じゃなくても売れる?素材別の買取ポイント
着物の素材は絹だけじゃないとお伝えしてきましたが、着物を売る時に素材が影響するのかどうか気になりますよね大丈夫です。着物は絹じゃなくても、着物の種類や柄によって買取してもらうことは可能です。ただし、正絹の着物に比べると買取額は低くなります。
絹100%は高値が期待できる?
残念ながら着物の買取額は、絹100%だからといって高値になるわけではありません。
たしかに、査定ポイントの内容がまったく同じで、違っているのが素材だけの場合は、絹100%の方が高くで買取してもらえます。
しかし、着物の買取には、着物の種類や柄・仕立て方なども影響があり、さまざまな査定ポイントを総合的に判断して買取額を出すので、着物によってはポリエステルの方が高く買取してもらえることもあるくらいです。
意外と高値になる?東レのシルックの着物
合成繊維の製造販売で有名な東レ株式会社が、1964年(昭和39年)に、高級シルク調ポリエステルのファッション素材として開発された「シルックRきもの」は、丸洗いできる着物として売り出されたポリエステル素材の着物です。
当時は、着物の素材は正絹があたり前で、シルックは絹の偽物・安物のイメージしかありませんでした。
しかし、改良を重ねて正絹に近い肌触りや機能性を備えたシルックは、絹より安く他のポリエステルに比べると高く、一番上質なポリエステルの着物として認知されるようになりました。
今では、着物の中で一番格が高いとされる振袖や留袖にも使われていて、しっかり値段がつきます。
ただし、ポリエステルの着物は、買ってからの年数が経てば経つほど買取してもらうのが難しくなるので、着ない着物は早めに売ることをおすすめします。
[上段:東レシルックの着物]
[下段:東レシルック証紙]
ポリエステルの着物はサイズと種類や人気の色・柄だと買取可能?
シルックの他にも、ポリエステルの着物はありますが、正直あまり高い金額では買取してもらえません。
ただし、ツモリチサトやハナエモリといったデザイナーズブランドや、アンテプリマ・PATTI PATTIといった海外ブランド、組曲や23区のような国内ブランドの着物の場合は、高くで買取してもらえることがあります。
しかし、ブランド着物の場合は、流行りの色や柄のものが多いので、売るタイミングによっては買取額が低くなることもあるので、着ないなら早めに売るのがおすすめです。
古いウールは買取不可でも未使用品や柄によっては買取可能?
残念ながら、ウールの着物はほとんどの買取業者で買取をしていません。その理由は、ウールの着物の需要は少ないから。 ウールの着物はしわにならず手入れも簡単で暖かいのですが、普段着としてしか着れないので、着物を着る人が少なくなった今では、ウールの着物を買う人が少ないのが現状です。
買取業者が買取った着物は中古としても売られますが、一番の販路はレンタルショップです。着物をレンタルする人は、レンタルでわざわざウールの着物を借りませんよね。
また、買取業者が中古として販売するにしても販売価格は低くなるので、レンタルショップで買取ってもらえないウールの着物は買取してくれるところが少ないのです。
麻や綿は季節を選んで売るといい?
夏の着物として人気の高い麻や綿の着物も、買取してくれるところはあります。しかし、綿の浴衣の場合は、新品のものでも帯や下駄がセットになっていて1万円くらいで売っているので、ほとんどの買取業者は買取をしていません。麻や綿の着物でも高く売れるのは、絽や紗織の着物・羅織の帯。 絽や紗織の着物・羅織の帯も基本的に絹の物が多いですが、上布といわれる上質の麻や綿絽の着物は、中古市場に出回る量が少ないので、高くで買取してもらえることもあります。
特に羅の帯は、時期に関係なく高額が期待できます。 絽や紗の着物も時期に関係なく買取してもらえますが、夏の着物が出回る少し前の時期に売ると、需要が高まっているので、買取額がUPするかも・・・
着物の素材の見分け方
これまでに紹介した生地の写真のように、見ただけでは正絹とわかりにくい素材の着物もありますよね。基本的に着物には品質表示のタグは付いていないので、証紙や保証書などがなければ、よくできたポリエステルだと見分けがつかない人もいます。着物買取専門業者の査定士は、しっかりとした研修を受けていて日々査定をしているので、さわるだけでわかるようですが、一般の人が触ってもわからない人もいると思います。
そんな場合はどうやって見分けることができるのでしょう?
見た目でわからないのはさわるとわかる?
絹は触ればわかると言われますが、日常的に着物に触れていない人が触っても、なかなか見分けはつかないと思います。一般的に言われているのは、絹は触っても冷たい感じはなく肌になじむ感じで、擦り合わせるとキュッキュッという衣擦れ(きぬずれ)の音がし、ポリエステルは触るとひんやり冷たい感じで特に音はしません。
しかし、シルックのように、絹に近い風合いや触り心地のものもあるので、やはり素人にはわかりにくいかもしれません。
証紙があれば素材もわかる
素材がはっきりしない時に一番いいのが証紙や保証書です。どんな着物にも、反物の端に証紙がついていて、着物に仕立てた後は、ハギレとして一緒に返してもらえます。
証紙には、織元や素材・作者などの情報が書いてあるので、証紙があれば素材の確認が簡単です。
でも、証紙は意外と捨てている人も多いです。では、証紙がない場合はどうすればいいのでしょう?
絹かどうかは燃やせばいい?
証紙がない・触ってもわからない・見てもわからない時は「燃やしてみる」という方法があります。絹かどうかを見分けるには、この方法が一番分かりやすいです。ハギレがあればハギレを燃やすといいですが、燃やすのは糸くずでも十分。 動物性繊維の絹は、髪の毛と同じタンパク質でできていて、燃やすと髪の毛と同じように、チリチリ縮れながら燃え上がり、燃え広がらずに消えていき、髪の毛を燃やした時と同じようなにおいがします。
区別がつきにくいポリエステルは、石油由来の繊維なので、燃やすと溶けだし黒鉛を出して、燃えた後は黒い塊になり温度が下がると黒い塊は固まり、石油独特のきついにおいがします。
※他の素材の燃え方を知りたい人は、下記のサイトを参考にしてください。
参考サイト:素材の知識
絹とポリエステルの燃焼後の形状
[上段:絹を燃やした時]
[下段:ポリエステルを燃やした時]
売れるかわからない着物は買取専門業者に任せるのが一番
日常的に着物を着ることがなく、買う人も少ないので、着物について知識がない人も多いですよね。いざ売ると決めた時に、着物の価値を知らずに安く売ってしまっている人も多いです。素材や産地・種類などがわからないような着物や、古い・汚れている・シミがあるなどの売れるかどうかわからない着物を売る時は、着物買取専門業者に任せるのが一番です。
他の着物と一緒だと売れる?
着物買取専門業者では、1枚ずつていねいに査定してくれますが、1枚では値段がつけにくいという場合でも、まとめてなら買取してくれることもあります。
専門の査定士が査定するので、素材がわかるものがなくてもきちんと判断してくれるので、 素材がわからないからといって、安く買い叩かれることもありません。
絹じゃなくても状態がよく新しいものは売れる
着物の素材は、査定ポイントの1つではありますが、着物買取専門業者は素材以外の査定ポイントも見て判断するので、絹じゃなくても状態や柄などを見て買取してくれます。特に、ポリエステルのような化繊の場合、買取してもらえないと思っている人もいますが、ポリエステルの着物でも色や柄が流行のものであれば、ちゃんと値段をつけてくれるので、専門業者に依頼しないといけません。
ただし、ポリエステルの着物は、古いものはなかなか値段がつきにくいので、できるだけ買ってから年数が経っていないタイミングで依頼するようにしましょう。
リメイクできる物なら売れる?
着物は、正絹であっても、どんなに状態が良くても売れないこともあります。
反対に、少しのシミや穴あきがある場合でも、需要がある色や柄・種類であれば、リメイクして中古品として販売することができるような着物の場合は、買取してもらえることも・・・
売れるかどうか迷った時は、まずは着物買取専門業者に依頼してみましょう。
どんな素材でもOKなところを選ぼう
親戚から譲り受けたり、小さい頃から家にあって、素材がわからない着物を持っているという人は多いと思います。そんな着物を売る時は「どんな着物でも買取します」と、いうような買取業者に依頼するようにしましょう。なぜなら、買取業者によっては、絹100%の着物でないと買取しないというところもあるからです。 素材がわからない時や絹以外の着物がある時は、どんな着物でも見てくれる業者を選ぶことをおすすめします。
まとめ
着物を売る時に素材も大事な査定ポイントです。しかし、譲り受けた着物や昔から家にあった着物のなかには、証紙がないものや素材がわからないものも多いと思います。
でも、着物の査定では、素材だけではなく色や柄・種類などを、総合的に判断して買取額を決めています。
その判断ができるのは、着物専門の買取業者です。売れるかどうかわからない着物を売る時は、きちんと査定ができる着物買取専門業者を上手に利用するといいですね。
着物買取業者選びに迷ったらどうすればいい?
着物買取業者がたくさんありすぎて、どこを選べばいいのか迷ってしまうことがあるはず。
「着物売るガイド!」では、着物買取業者を徹底比較して特徴などを分かりやすくまとめたものを、ランキング形式で掲載しています。
着物買取業者選びに迷った時は、ぜひ一度チェックしてみてください!